統合失調症について(医学的解説)

この記事では、医学的な視点から統合失調症について解説いたします。症状が多岐にわたるため、全てを記載することは困難ですが、以下に概要を記載しております。

発症について

統合失調症は、10代後半から20代にかけて多く発症することが多くあり、発症率は約100人に1人と珍しくありません。性別による差はほとんどありません。また、幼少期や老年期でも発症することがあります。

原因について

現在、様々な仮説がありますが、一般的には何らかの原因で脳内のドパミンという神経伝達物質が過剰となり、幻覚や幻聴、妄想などの陽性症状に関与していると考えられています。最近ではドパミンだけでなく、セロトニンや他の脳内神経伝達物質も関与していることが示唆されています。薬剤も、脳内神経伝達物質に働きかけるものが多数存在します。

原因や発症のメカニズムについては未だ解明されておらず、研究が進められています。また、遺伝的要素も関連性が高いことが判明しています。

経過と予後

【1. 前駆期】

統合失調症発症の初期段階であり、精神的に落ち着きがなくなったり、神経が過敏に感じたりします。不眠の症状がこの時期に現れやすいのが特徴です。

【2. 急性期】

幻聴・幻覚・妄想状態など陽性症状といわれる病態を呈する症状が激しい期間です。思考の混乱、不安感、不眠症状も強く現れることが多いです。脳が激しく活動しすぎている状態です。

【3. 消耗期】

陰性症状といわれる元気がなくなる期間です。具体的には眠気が強い、体がだるい、ひきこもり、意欲がない、やる気がでない、自信が持てないなどと感じることが多くなります。全体的に感情が平板化します。

【4. 回復期】

消耗期を経て、意欲が回復し、行動が回復します。周囲への関心が出てきます。精神的にゆとりが出てくる時期です。

■予後について

全体の三分の一の患者は、ほとんど後遺症を残さずに寛解します。三分の一が中等度以上の陰性症状や慢性の幻覚・妄想を残し、残りの三分の一が適応水準に若干問題を残して軽快します。

薬剤の継続投与が治療予後を良好にすることがわかっており、継続服用の重要性が指摘されていますが、本人の病識の欠如などもあり、薬剤を自己判断で中止し、入退院を繰り返してしまう方もいます。

使用される薬剤

【定型抗精神病薬:メジャートランキライザー】

ドパミンの過剰を抑制することで、陽性症状を抑えることができます。しかし、この系統の薬剤は副作用が出ることが問題となります。代表的な副作用として、こわばりやふるえがあります。

【非定型抗精神病薬】

定型抗精神病薬と比較して、副作用が少なく、陽性症状だけでなく、陰性症状に対しても効果が期待できます。代表的な薬剤名は、リスパダール、セロクエル、ジプレキサ、ルーラン、エビリファイなどとなっています。

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病的な統合失調症と憑依によるものとの差異、幻聴・幻覚の特徴などを説明しております。また、憑依による症状に対しての薬剤効果の特徴などについても記載しております。

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